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『音の響きを磨く』


●「音」感覚 東西の違い


 日本の文化は「木と紙の文化」と呼ばれ,ヨーロッパの「石の文化」とは異なっています。当然のことですが,畳と襖と障子に囲まれた空間と,石の壁や床に囲まれた空間では,音の広がり方が違ってきます。日本で育まれてきた邦楽は,響きを吸収するデッドな空間での演奏を想定して作られてきました。しかし,ヨーロッパで育まれてきた西洋音楽は,声や楽器の響きをよく響かせるライブな空間での演奏を想定してきました。つまり,邦楽では演奏者のすぐ近くで鳴っている音をコントロールする一方,西洋音楽では演奏する空間全体に響いている音をコントロールします。

 こうした「音」への感覚は,1000年単位の歴史の中で育まれてきたものです。近年は日本国内に音楽専用ホールが増えたので,演奏者の意識も変化しつつありますが,それでもまだまだ「そこから聞こえる音」をコントロールする演奏づくりが多く,「あそこに響かせる音」への感覚を育てることが不足しています。



●「空間の響き」を感じるレッスン


 おと塾の最大の特徴は,レッスン室が「おと塾ホール」である点です。左の写真にあるように,二階まで吹き抜けで木材とガラスに囲まれた空間は,音の響きの広がりを感じながら演奏することができます。また,ホールの前面が半円形であるため音の響きが乱反射しやすく,心地よい音の広がりが感じられます。

 現在おと塾ホールでは二つの合唱団が定期的に練習をしていますが,このホールでの練習が響きの感覚を得やすいため,無理のない美しい響きを生み出せています。



●ピアノは蓋を開けて


 ピアノという楽器は,蓋を開けた状態で最も性能を発揮できるように設計されていますから,フルオープンの状態で音色を探っていく練習が極めて重要です。おと塾ホールのレッスン用ピアノは「YAMAHAC5」という機種です。おと塾ホールの空間にはちょうど良いサイズのピアノであるため,弾き方だけでなく音の響き方も十分に考えた演奏づくりができます。


ピアノのレッスンではピアノの蓋をフルオープンにして,ホールの空間へ響いていく音を肌で感じることができます。また,歌のレッスンでは必要に応じて蓋をハーフオープンにして,歌とのバランスを考えた音づくりをしています。こうした経験の積み重ねが,「響き」をコントロールする西洋音楽の音感覚を育てていきます。



●レッスンが終わったら


 おと塾ホールには写真のようなブランコがあります。屋内でブランコに乗る機会は少ないと思いますが,乗ってみるとオススメです。小さなお子さんはブランコが楽しみでレッスンに来ることもあるようです。(大人の方が乗っても安全な強度で作られています)



●木の温もり


 おと塾ホールは,旭川市内の木材会社が道産材による健康住宅として建築したモデルハウスでした。以前にこの建物を事務所として使用していた方は,この建物で仕事をしているうちに花粉症などのアレルギー症状がなくなったとおっしゃっていました。おと塾ホールは「木の文化」の日本が生んだ建物ですが,木材の状態が音楽専用ホールで用いられるような状態に近いため,音楽が石造りの建物よりも温もりのある温かい響きになって広がります。南向きの広い窓から太陽の光が差し込むと,温かい森の中に立っているようです。

 生の演奏ばかりでなく,録音された音楽も良質の響きで鑑賞できるように,オーディオ装置にもこだわっていますので,レッスンのついでに音楽プレーヤー・CD・レコードなどをお持ちいただくと,至福の時間を体験できます。